12.受益権 12−1 請願権       第16条 何人も、損害の救済、公務員の罷免、法律、命令又は規則の制定、廃止又は改正その他の事項に関し、平穏に       請願する権利を有し、何人も、かかる請願をしたためにいかなる差別待遇も受けない。  *請願とは→国又は地方公共団体の機関に対して、国務に対する希望を述べること。   →誠実処理義務が生じるだけで、請願の内容を審理・判定する法的義務は生じない。  ※参政権的役割…議会制民主主義の機能不全の打開策の1つ。 12−2 裁判を受ける権利       第32条 何人も、裁判所において裁判を受ける権利を奪われない。 刑事事件…被告人が公正な裁判を受ける権利    {民事・行政事件…各人が裁判所に訴えを提起する権利   *非公開で行なわれる非訟事件の裁判を受ける権利は、32条で保障されるか。A    →肯定説(通説)r.公開・対審は32条にいう「裁判」の基本原則であるが、唯一絶対ではなく、全ての裁判につい   て、その事件の性質・内容に応じた最も適切な手続によるべきことが32条の要求するところ  であり、非訟事件は一種の後見的作用を持つ行政サービスであり非公開も許される。 否定説(判例)r.32条の裁判は82条の裁判と同じく純然たる訴訟事件を意味するから、非訟事件は32条の   「裁判」に含まれない。 12−3 国家賠償請求権      (1)国家賠償請求権    第17条 何人も、公務員の不法行為により、損害を受けたときは、法律の定めるところにより、国又は公共団体に、そ        の賠償を求めることができる。   *国家賠償請求権の法的性格をいかに解するか。C(現在は国家賠償法があり問題にならない。)    →プログラム規定説:いわゆるプログラム規定であり、立法者に対する命令を意味するに留まる。 抽象的権利説(通説)r.17条は国家賠償の要件を一義的に詳細に定めているわけではないから具体的法律が必  要とされるのは確かだが、法規範性を否定することはできない。  (2)国家賠償法    国家賠償法1条1項 国又は公共団体の公権力の行使に当たる公務員が、その職務を行なうについて、故意又は過失に           よって違法に他人に損害を加えたとき、国又は公共団体が、これを賠償する責に任ずる。    国家賠償法2条 道路、河川その他の公の営造物の設置又は管理に瑕疵があったために他人に損害を生じたときは、国         又は公共団体は、これを賠償する責めに任ずる。   *国家賠償法1条1項における、公務員の不法行為に基づく国の賠償責任の性格はどのように解されるか。B    →代位責任(通説):公務員の故意・過失による責任を前提に、その責任を国や公共団体が代位するものである。  r.17条は、不法行為責任をあくまで行為者個人の違法行為に対する責任を追及する個人主        義的過失責任主義の立場を前提に、被害者救済の実効性という政策的理由から国などに賠      償責任を認めたものである。 自己責任説:公務員の不法行為に基づく国や公共団体の賠償責任は、国や公共団体自身の自己責任である。   r.加害公務員個人の責任を媒介せず、ストレートに国の責任を認めるほうが素直である。 国家活動には違法な加害行為を伴う危険が内在しており、このような危険から発生する損害に対      しては、国は自ら責任を負うべきである(危険責任の法理)。 12−4 刑事補償請求権       第40条 何人も、勾留又は拘禁された後、無罪の裁判を受けたときは、法律の定めるところにより、国にその保障を求       めることができる。   ※刑事補償法は免訴又は公訴棄却の裁判を受けた者が、もし免訴又は公訴棄却の裁判をすべき事由がなかったならば無    罪の裁判を受けるべきものと認められる十分な事由があるときは、国に対して補償を請求することができる、とする。